フランチャイズブログ
児童発達支援事業所について調べていると、「定員10名」という数字を目にすることがあります。
ここで疑問になりやすいのが、「定員10名なら契約できる子どもも10名までなのか」「月曜日と火曜日で別の児童が利用してもよいのか」という点です。
児童発達支援における利用定員と、事業所が利用契約を結んでいる児童の人数は同じではありません。
定員10名の事業所でも、利用日が異なれば、10名を超える児童と利用契約を結ぶことはできます。一方で、指定された利用定員を超える児童を日常的に受け入れてよいという意味ではありません。
フランチャイズで児童発達支援へ参入する法人にとっては、「10名」という数字が何を表しているのかを正しく理解しておくことが、開業後の利用予定や職員配置を考えるうえでも重要です。
このページでは、児童発達支援事業所のフランチャイズ本部を運営するゆめラボが、利用定員10名の意味、契約児童数や1日の利用人数との違い、定員超過の扱いについて解説します。
児童発達支援の「定員10名」とは?利用定員の基本を確認する
児童発達支援で使われる「定員10名」という言葉を理解するには、まず制度上の「利用定員」が何を表しているのかを確認する必要があります。
一般的な児童発達支援事業所では利用定員10人以上が原則ですが、これは「すべての児童発達支援事業所が10人定員でなければならない」という意味ではありません。
事業所ごとに指定された利用定員を基準に、1日の利用人数を管理します。
一般的な児童発達支援事業所の利用定員は10人以上
児童福祉法に基づく指定基準では、指定児童発達支援事業所の利用定員は原則として10人以上とされています。
そのため、一般的な児童発達支援事業所を新たに開設する場合、「利用定員3名」「利用定員5名」といった規模を事業者が自由に設定できるわけではありません。
この基準に沿って、利用定員10名で指定を受ける児童発達支援事業所があります。
10人は、一般的な児童発達支援事業所における利用定員の下限として定められています。
利用定員を10名として指定を受けた事業所であれば、その事業所にとっての利用定員は10名です。全国の児童発達支援事業所すべてについて10名が上限として決められているわけではありません。
児童発達支援事業所の開業に必要な法人格、人員、設備、運営基準については、児童発達支援事業所の開業条件とは?法人格・人員基準・設備基準・運営基準を解説でもご紹介しています。
「定員10名」は全国一律で10名までという意味ではない
「児童発達支援は定員10名」と聞くと、児童発達支援事業所はすべて1日10名までと決められていると受け取ることがあります。
実際には、一般的な指定児童発達支援事業所に定められているのは、原則として利用定員を10人以上とするという基準です。
そのため、必要な人員や設備などの基準を満たしたうえで、利用定員15名、20名などで指定を受けることもできます。
一方、利用定員10名として指定を受けている事業所については、「全国共通の上限が10名だから10名」なのではなく、その事業所の指定上の利用定員が10名という意味です。
この違いを理解しておかないと、「児童発達支援ならどの事業所でも1日10名まで」「午前と午後に分ければ定員10名のまま20名利用できる」といった誤解につながります。
フランチャイズ加盟を検討するときも、「児童発達支援は10名定員」という言葉だけを見るのではなく、自社が想定している事業所が何名の利用定員で指定を受ける想定なのかを確認することが重要です。
児童発達支援の利用定員は1日の支援単位ごとの定員を合計して考える
児童発達支援の指定基準では、「利用定員」は1日に設置される支援単位ごとの利用定員を合計した最大数として考えます。
ここでいう「指定児童発達支援の単位」とは、指定児童発達支援が同時に一人または複数の児童へ一体的に提供されるまとまりを指します。
たとえば午前と午後で別の児童へ児童発達支援を提供し、それぞれを別の支援単位として設定する場合は、午前と午後が別単位として扱われます。
その場合、それぞれの支援単位について必要な職員を確保する必要があり、事業所の利用定員は1日に設置する各単位の利用定員を合計した最大数になります。
したがって、「定員10名の事業所で午前10名、午後10名に分ければ、定員10名のまま1日20名まで利用できる」と単純に考えることはできません。
午前・午後に複数の支援単位を設ける事業モデルを検討する場合は、単位ごとの人数だけでなく、事業所全体の利用定員と必要な職員配置がどのようになるのかを指定権者へ確認したうえで設計する必要があります。
重症心身障害児や多機能型事業所には利用定員の特例がある
利用定員10人以上という原則には、事業所の対象児童や事業形態によって特例があります。
児童発達支援センターではない事業所で、主として重症心身障害児を通わせる場合は、利用定員を5人以上とすることが認められています。
そのため、「児童発達支援の最低定員は必ず10人」と考えるのも正確ではありません。
また、児童発達支援と放課後等デイサービスなど、複数のサービスを一体的に運営する多機能型事業所についても、通常の単独事業所とは異なる利用定員の特例があります。
多機能型では、複数の指定通所支援を通じて合計10人以上とすることができる場合があり、主として重症心身障害児を対象として一体的にサービスを提供する場合には5人以上とできるケースもあります。
どの特例が適用されるかは提供するサービスの組み合わせや対象児童によって変わるため、適用される利用定員の基準を個別に確認する必要があります。
児童発達支援の定員10名と契約児童数は同じではない
児童発達支援の利用定員を理解するときに、特に間違えやすいのが「契約児童数」との違いです。
利用定員10名だからといって、事業所全体で利用契約を結べる児童が10名までという意味ではありません。
実際の運営では、児童ごとに利用する曜日や回数が異なるため、契約児童数と1日の利用人数を分けて考えます。
定員10名でも契約できる児童が10名までとは限らない
利用定員10名は、事業所が利用契約を結べる児童の総数を10名に制限する数字ではありません。
たとえば月曜日に利用する児童と火曜日に利用する児童が異なれば、事業所全体では10名を超える児童と利用契約を結ぶことができます。
児童発達支援では、利用する児童全員が毎日通所するとは限りません。
週1回利用する児童、週2回利用する児童など、それぞれの支援計画や利用予定に応じて通所日が決まります。
そのため、利用定員と契約児童数を同じものとして扱うことはできません。
ただし、契約児童数を無制限に増やしてよいという意味ではありません。各児童が必要とする利用日を確保しながら、1日の利用予定が指定された利用定員を超えないように管理する必要があります。
利用する曜日が異なれば複数の児童と利用契約を結べる
定員10名の事業所であっても、利用曜日が異なる児童と契約することで、事業所全体の契約児童数は10名を超えることがあります。
たとえば月曜日に利用する児童と水曜日に利用する児童が同じ児童である必要はありません。
それぞれの児童について必要な利用日を確認し、曜日ごとに異なる児童の利用予定を組むことができます。
ここで管理すべきなのは、「契約している児童が全部で何人いるか」だけではなく、「各曜日に何人が利用する予定なのか」です。
契約児童数が20名であっても、月曜日の利用予定が8名、火曜日が9名というように利用日が分かれているケースがあります。
反対に、契約児童数自体は少なくても特定の曜日へ利用希望が集中すれば、その曜日だけ利用定員に達することがあります。
そのため、児童発達支援の利用管理では契約人数だけを見るのではなく、曜日ごとの利用予定まで確認する必要があります。
契約児童数と1日の実利用人数を分けて考える
契約児童数は、その事業所と利用契約を結んでいる児童の人数です。
一方、1日の実利用人数は、その日に実際に児童発達支援を利用した児童の人数です。
たとえば20名の児童と契約している事業所でも、その日に利用予定となっている児童が10名で、全員が利用すれば実利用人数は10名です。
同じ事業所でも翌日は別の児童が利用するため、実際に利用する児童は日によって変わります。
また、利用予定が10名であっても欠席が2名あれば、その日の実利用人数は8名になります。
事業所運営では、契約児童数、利用予定人数、実利用人数を同じ数字として扱わないことが重要です。
特に利用定員との関係を見る場合は、事業所全体の契約児童数ではなく、各日の利用予定人数や実利用人数を確認する必要があります。
月間の延べ利用人数も利用定員とは別の数字
児童発達支援では、月間の「延べ利用人数」という数字も使われます。
延べ利用人数は、同じ児童が複数回利用した場合も、利用日ごとに1人として積み上げて数えます。
たとえば1人の児童が1か月に8日利用すれば、実人数としては1人ですが、延べ利用人数では延べ8人として数えます。
10名の児童がそれぞれ月8回利用した場合であれば、契約児童数は10名でも、月間の延べ利用人数は延べ80人となります。
この80人という数字を見て、「定員10名なのに80名利用している」と考えるのは誤りです。
利用定員は事業所の1日の支援体制に関係する数字であり、月間の延べ利用人数は複数日の利用実績を積み上げた数字だからです。
契約児童数、1日の利用人数、月間の延べ利用人数はそれぞれ異なる内容を示すため、加盟後の事業所運営でも分けて把握する必要があります。
児童発達支援の1日の利用人数は利用予定に合わせて管理する
児童発達支援事業所では、利用定員を確認するだけでなく、各児童の利用予定をもとに1日の人数を管理します。
利用する曜日が児童ごとに異なるため、月曜日から土曜日まで毎日同じ人数になるとは限りません。
また、欠席や利用日の変更によって、予定人数と実利用人数が異なる日もあります。
児童ごとの利用曜日から1日の予定人数を確認する
1日の利用人数を管理する基本は、児童ごとの利用曜日を確認することです。
利用契約を結ぶ際には、児童や保護者の希望、支援の必要性、事業所側の受け入れ状況などを踏まえて利用日を調整します。
そのうえで、月曜日に何名、火曜日に何名というように曜日ごとの利用予定を確認します。
定員10名の事業所で月曜日の利用予定がすでに10名となっていれば、新たに月曜日を希望する児童を通常の利用予定として追加することはできません。
一方、火曜日の予定人数に余裕があるのであれば、児童や保護者との調整によって火曜日の利用を検討できる場合があります。
こうした曜日ごとの人数管理を行うことで、契約児童数が10名を超えていても、指定された利用定員に沿った利用予定を組むことができます。
欠席や振替によって実際の利用人数は日ごとに変わる
利用予定を組んでいても、毎日すべての児童が予定どおり利用するとは限りません。
体調不良や家庭の都合などによって欠席が発生すれば、その日の実利用人数は予定人数より少なくなります。
また、利用日の変更を希望する場合には、変更先の日の利用予定人数が定員内に収まるかを確認する必要があります。
たとえば火曜日の利用予定が10名であれば、月曜日に欠席した児童を単純に火曜日へ追加すると11名になる可能性があります。
そのため、利用日の変更を受ける際も、元の利用予定だけではなく変更先の人数を確認します。
振替を受ける場合も、変更先の利用人数と職員配置を確認したうえで対応する必要があります。
午前・午後など複数の支援単位を設ける場合は単位ごとの定員を確認する
児童発達支援では、午前と午後で別の児童へ支援を提供するなど、1日の中で複数の支援単位を設ける運営方法があります。
指定児童発達支援の単位は、同時に一人または複数の児童へ一体的に支援を提供するまとまりとして扱われます。
午前と午後で別の児童に支援を提供する場合は、2単位として扱われます。
この場合、それぞれの支援単位について利用する児童数と必要な職員を確認しなければなりません。
さらに、利用定員は1日に設置される単位ごとの利用定員を合計した最大数として考えるため、単に時間帯を二つに分ければ、定員10名のまま受け入れ人数を2倍にできるわけではありません。
午前・午後型の運営を計画する法人は、支援時間だけで判断せず、どの単位構成と利用定員で運営するのかを開業前に指定権者へ確認する必要があります。
1日の利用人数に合わせて必要な人員配置を確認する
児童発達支援では、1日の利用人数は職員配置とも関係します。
一般的な児童発達支援事業所では、支援単位ごとに利用する児童の人数に応じて、児童指導員または保育士など必要な職員を配置しなければなりません。
そのため、「利用定員に空きがあるから児童を受け入れられる」と人数だけで判断することはできません。
その時間帯に必要な人員配置を満たしているかも確認します。
特に複数の支援単位を設ける場合は、それぞれの単位について必要な職員を確保する必要があります。
利用定員と人員配置は切り離して考えず、実際の事業所運営では1日の利用予定と勤務体制をあわせて確認することが重要です。
児童発達支援は定員10名を超える利用を前提に運営しない
児童発達支援の定員10名を理解するうえでは、定員を超える利用の扱いも重要です。
報酬制度には「定員超過利用減算」があるため、「減算されなければ定員を超えて利用させてもよい」と受け取られることがありますが、その考え方は適切ではありません。
指定基準では利用定員を守ることが原則です。
指定された利用定員を超える支援は原則として認められていない
指定児童発達支援事業者は、原則として利用定員および発達支援室の定員を超えて児童発達支援を提供することはできません。
利用定員10名として指定を受けているのであれば、11名、12名の利用を通常運営として前提にすることはできません。
「普段は11名受け入れる」「予約が多い曜日だけ12名にする」といった運営を前提に事業計画を作ることは、定員遵守の原則に沿いません。
そのため、契約児童数を増やす際には、各児童の希望曜日を確認し、特定の日に利用が集中しないかを見る必要があります。
利用希望が継続して定員を上回るようになった場合は、定員超過を常態化させるのではなく、事業所の利用定員の変更を検討します。
災害・虐待その他のやむを得ない事情では定員超過が認められる場合がある
指定基準では、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合には、利用定員を超える支援の例外が認められています。
「やむを得ない事情」は、災害や虐待に限られるものではありません。
こども家庭庁のQ&Aでは、障害の特性や病状などによって欠席しがちで定期的な利用を見込みにくい児童へ継続した支援を行う必要がある場合も、やむを得ない事情の例として示されています。
また、児童の家庭状況や地域の支援資源の状況から、その事業所で受け入れなければ児童の福祉を損ねる場合も例として挙げられています。
ただし、単に利用希望が多いという理由だけで日常的な定員超過を前提に運営してよいという意味ではありません。
利用人数が恒常的に利用定員を超える状態になっていないかを確認し、必要に応じて人数調整などで是正することが求められます。
どの事情が「やむを得ない事情」に該当するかは個別の状況によって異なるため、実際の運用では指定権者へ確認する必要があります。
定員超過利用減算の基準を「受け入れてよい人数」と考えない
児童発達支援の報酬制度には、一定以上の定員超過が発生した場合に基本報酬が減算される「定員超過利用減算」があります。
ここで注意したいのは、減算が適用される基準と、指定基準上の定員遵守は分けて考える必要があることです。
令和8年度の報酬上の留意事項では、一定範囲の定員超過利用について、適正なサービスの提供が確保されることを前提に可能とされています。
一方で、指定基準では利用定員を守ることが原則とされ、災害、虐待その他のやむを得ない事情について別途考え方が示されています。
そのため、「定員超過利用減算がかからない人数までなら、通常の予約枠として自由に受け入れてよい」と判断することはできません。
定員超過が生じる場合は、実際の利用人数に応じた人員・設備基準を満たしているか、やむを得ない事情に該当するかなどをあわせて確認する必要があります。
フランチャイズ加盟後の事業計画でも、減算基準を通常の受け入れ可能人数として売上計画へ組み込まず、指定された利用定員を基準に運営することが重要です。
日常的に利用定員を増やす場合は定員変更の手続きが必要になる
利用希望が増え、現在の利用定員では継続的に対応できなくなった場合は、日常的に定員を超えて受け入れるのではなく、利用定員の変更を検討します。
たとえば定員10名の事業所を15名へ変更する場合は、事業者の判断だけで15名へ変更することはできません。
定員を増やした後も必要な人員基準や設備、支援体制を満たせるかを確認する必要があります。
また、利用定員は指定内容や運営規程にも関係するため、指定権者への事前相談や所定の変更手続きが必要になります。
必要な手続き、提出時期、確認される書類などは自治体によって異なる場合があるため、実際に定員変更を行う前に事業所を管轄する指定権者へ確認します。
利用希望が増えているからという理由だけで定員を超えるのではなく、定員変更後も必要な支援を提供できる人員と環境を確保できるかまで含めて判断することが重要です。
まとめ|児童発達支援の定員10名と契約児童数・1日の利用人数の違いを理解しよう
児童発達支援でよく使われる「定員10名」は、事業所全体で契約できる児童が10名までという意味ではありません。
一般的な指定児童発達支援事業所では利用定員10人以上が原則であり、利用定員10名として指定を受けた事業所では、その利用定員を基準として1日の利用予定を管理します。
利用する曜日が児童ごとに異なれば、定員10名の事業所でも10名を超える児童と利用契約を結ぶことはできます。そのため、利用定員、契約児童数、1日の予定人数、実利用人数、月間の延べ利用人数は分けて考える必要があります。
また、午前と午後で別の支援単位を設ける場合も、単純に時間帯を分ければ受け入れ人数を増やせるわけではありません。1日に設置する支援単位と事業所の利用定員、必要な職員配置を確認する必要があります。
定員超過利用減算についても、減算されるまで定員を超えて自由に受け入れてよい制度ではありません。指定基準上の定員遵守、やむを得ない事情、報酬上の減算基準を分けて確認する必要があります。
法人がフランチャイズで児童発達支援へ参入する場合は、「定員10名」という数字だけを見るのではなく、どのように利用予定を組み、契約児童数と1日の利用人数を管理する事業モデルなのかまで確認しておくことが重要です。
ゆめラボでは、児童発達支援事業所のフランチャイズ本部として、物件、人員体制、利用定員、開業準備から開業後の教室運営まで支援しています。
法人で児童発達支援への参入をご検討の場合は、定員10名の事業所を実際にどのように運営するのかも含めてご相談いただけます。
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