フランチャイズブログ

2026.08.04

児童発達支援の基礎知識

保育園・幼稚園運営法人が児童発達支援を始めるには?既存事業との違いと相乗効果

保育園や幼稚園を運営している中で、「発達が気になる子どもへの支援をもっと充実させたい」「保育だけでなく、療育という形でも地域の子どもを支えられないか」と考える法人もあるのではないでしょうか。

 

日頃から未就学児と関わっている保育園・幼稚園運営法人では、児童発達支援でも、未就学児との関わりや保護者対応など、これまでの保育経験を活かせる場面があります。

 

一方で、保育園や幼稚園を長く運営してきたからといって、その仕組みをそのまま児童発達支援へ移せるわけではありません。児童発達支援は児童福祉法に基づく障害児通所支援であり、保育とは異なる指定基準や人員体制、支援の仕組みがあります。

 

参入を検討する際は、保育で培った経験を活かせる部分と、児童発達支援として新たに整える部分を分けて考える必要があります。

 

このページでは、保育園・幼稚園運営法人が児童発達支援を始める場合に知っておきたい制度の違い、既存事業で培った経験の活かし方、保育と療育を同じ法人で行うことで生まれる相乗効果について、児童発達支援事業所ゆめラボが解説します。

Contents

保育園・幼稚園と児童発達支援事業所は制度と役割が異なる

 

保育園、幼稚園、児童発達支援事業所は、いずれも未就学児と関わる施設ですが、制度上は同じ事業ではありません。

 

保育園や幼稚園を運営している法人が新たに児童発達支援を始める場合も、既存園の実績だけで開設できるわけではなく、児童発達支援事業所として指定を受ける必要があります。

保育園・幼稚園の運営実績があっても児童発達支援の指定が必要

児童発達支援は、児童福祉法に基づく障害児通所支援の一つです。

 

保育園や幼稚園をすでに運営している法人であっても、新たに児童発達支援事業所を開設する場合は、児童発達支援として必要な人員、設備、運営体制を整え、指定権者から指定を受ける必要があります。

 

「すでに未就学児向けの施設を運営しているから、その一部を療育スペースにすれば始められる」というものではありません。

 

同じ建物での開設を検討する場合も、児童発達支援事業所として必要な設備を確保できるか、保育事業と児童発達支援の職員配置をどのようにするかなどを確認した上で進めます。

 

児童発達支援事業所の法人格、人員基準、設備基準、運営基準については、児童発達支援事業所の開業条件とは?法人格・人員基準・設備基準・運営基準を解説で詳しくご紹介しています。

保育と児童発達支援では事業の目的と支援の役割が異なる

保育と児童発達支援は、どちらも子どもの育ちに関わりますが、担っている役割には違いがあります。

 

保育園では、保育を必要とする子どもの生活を支えながら、養護と教育を一体的に行います。幼稚園では、幼児期の教育を通して子どもの成長を支えます。

 

一方、児童発達支援では、発達に支援が必要な子ども一人ひとりの状態や生活環境を踏まえ、日常生活に必要な動作、ことばやコミュニケーション、運動、認知、人との関わりなどについて発達支援を行います。

 

園では集団生活の中で見える子どもの姿を中心に関わりますが、児童発達支援では個別の発達課題や家庭での困りごとも含めて支援を考えます。

 

ただし、保育と療育を別々に考える必要はありません。現在の児童発達支援では、保育所や幼稚園などとの連携や併行利用を通じ、生活の場が変わっても一貫した支援につなげることが重視されています。

保育園・幼稚園運営法人が児童発達支援で活かせる強み

 

保育園・幼稚園運営法人が児童発達支援へ参入する強みの一つは、すでに未就学児や保護者と関わってきた経験があることです。

 

療育に必要な知識や制度については新たに学ぶ必要がありますが、子どもの発達を見る視点、保護者との関係づくり、人材の採用・育成など、保育事業で培った経験を活かせる場面は多くあります。

未就学児の発達や生活を見てきた経験を活かせる

保育園や幼稚園では、毎日の生活や遊びの中で子どもの発達を見ています。

 

ことばが増えていく様子、友だちとの関わり、食事や着替え、排せつ、運動、制作活動など、未就学児の成長をさまざまな場面から見てきた経験があります。

 

その中では、「同じ年齢の子と比べてことばが少ない」「集団活動になると参加しにくい」「予定が変わると気持ちを切り替えにくい」など、発達について気になる姿に出会うこともあります。

 

児童発達支援でも、子どもの今の姿を捉え、どこにつまずきがあるのか、どのような関わりなら取り組みやすいのかを考えることが必要です。

 

保育の中で未就学児の発達を見てきた経験は、児童発達支援で子どもの状態を捉える際にも活かせます。

 

ただし、「保育経験が長いから療育も同じようにできる」という意味ではありません。児童発達支援では、個別の支援目標を設定し、その目標に沿って支援を行うという新しい視点が必要になります。

保護者との関係づくりや子育て相談の経験を活かせる

保育園や幼稚園では、子ども本人だけでなく保護者との関係も日々の運営に欠かせません。

 

登園時や降園時のやり取り、面談、行事、家庭での困りごとの相談などを通して、保護者と一緒に子どもの成長を見てきた法人も多いでしょう。

 

児童発達支援でも保護者支援は重要です。

事業所では落ち着いてできることが家庭では難しかったり、家庭ではできることが園の集団では難しかったりすることがあります。そのため、保護者から日頃の様子を聞き、事業所で見えた子どもの姿を共有しながら支援を考えます。

 

発達について悩んでいる保護者の中には、「誰に相談すればいいのか分からない」「相談したらすぐ診断の話になるのではないか」と不安を感じている方もいます。

 

日頃から保護者の話を聞き、家庭と一緒に子どもの成長を見てきた経験は、児童発達支援の保護者支援にも活かすことができます。

保育士の採用・育成経験を新しい事業にも活かせる

保育園や幼稚園を運営する法人では、すでに保育士など子どもに関わる人材の採用や育成を経験しています。

 

児童発達支援でも保育士は配置できる職種の一つです。そのため、保育士がどのような環境で働きやすいのか、採用後にどのようなフォローが必要なのかを知っていることは強みになります。

 

また、職員同士で子どもの様子を共有する会議や研修、日々の記録、保護者対応など、保育現場で行ってきた人材育成の経験を活かせる部分もあります。

 

一方、児童発達支援では児童発達支援管理責任者など、保育事業とは異なる役割を担う職種も必要です。保育士を採用してきた経験だけで人員体制が完成するわけではありませんが、子どもに関わる人材を採用・育成してきた経験は、児童発達支援へ参入する際にも活かせます。

保育事業の仕組みをそのまま児童発達支援に使えるわけではない

 

保育園・幼稚園運営法人は児童発達支援にも活かせる経験を持っていますが、保育事業の運営方法をそのまま児童発達支援へ移すことはできません。

 

児童発達支援には、障害児通所支援として独自の人員体制や支援計画、指定基準があります。

児童発達支援管理責任者を含む人員体制が必要になる

児童発達支援事業所では、保育士だけを配置すれば開業できるわけではありません。児童発達支援管理責任者をはじめ、児童指導員や保育士など、指定基準に沿った人員体制を作る必要があります。

 

特に児童発達支援管理責任者は、子ども一人ひとりの児童発達支援計画の作成や支援内容の管理、職員への助言などを担います。

 

保育園や幼稚園ですでに十分な職員数を確保している場合でも、その職員を自由に児童発達支援事業所の人員として数えられるわけではありません。

 

同じ法人や同じ建物で運営する場合も、勤務時間や役割、兼務の可否を確認し、児童発達支援として必要な人員を確保する必要があります。

児童発達支援計画に基づいた個別の支援が必要になる

児童発達支援では、子ども一人ひとりについて児童発達支援計画を作成し、その計画に基づいて支援を行います。

 

たとえば同じ「集団活動に入りにくい」という姿でも、ことばの理解が難しいのか、周囲の音や刺激が負担なのか、活動の見通しが持てないのかによって必要な支援は変わります。

 

そのため、年齢別に同じ活動を提供するだけではなく、子どもの発達や生活の状況を見た上で、個別の目標と支援内容を考えます。

 

現在の児童発達支援では、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域との関連を踏まえた支援も求められています。

 

保育の経験は子どもの姿を捉える際に活かせますが、児童発達支援では、その観察を個別の支援目標や具体的な療育につなげる力が必要になります。

 

児童発達支援の現場で行われる支援については、児童発達支援ってどんな仕事?子ども一人ひとりに寄り添う支援の中身でもご紹介しています。

保育施設とは別に児童発達支援の指定基準を確認する必要がある

既存の保育園や幼稚園が施設として必要な基準を満たしていても、それだけで児童発達支援事業所の設備基準を満たしたことにはなりません。

 

児童発達支援には、発達支援室をはじめ、支援に必要な設備や備品を備えることが求められています。

 

また、設備だけでなく、人員、利用定員、運営規程、児童発達支援計画など、児童発達支援事業所として確認する事項があります。

 

保育園や幼稚園と児童発達支援を同じ法人で運営する場合も、それぞれを別の制度に基づく事業として捉える必要があります。特に既存園への併設を検討する場合は、「今ある施設をそのまま使えるだろう」と判断せず、候補となるスペースや職員体制について指定権者へ確認した上で進めることが重要です。

保育園・幼稚園と児童発達支援を併せて運営する相乗効果

 

保育園や幼稚園と児童発達支援では制度が異なりますが、同じ未就学期の子どもに関わるという点ではつながりがあります。

 

それぞれの役割を分けた上で連携できれば、保育だけ、療育だけでは見えにくかった子どもの姿を共有しながら支援を考えることができます。

子どもの発達に気づいた段階から専門的な支援につなげやすくなる

保育園や幼稚園では、子どもが家庭以外で長い時間を過ごすため、集団生活の中で発達の気になる姿に気づくことがあります。

 

家庭では困っていなくても、園では一斉の指示が入りにくい、友だちとのやり取りが難しい、活動の切り替えに時間がかかるといった姿が見えることもあります。

 

こうしたとき、保育だけでは対応が難しい課題について、法人内に児童発達支援という専門的な支援の選択肢を持てます。

 

もちろん、同じ法人が児童発達支援を運営しているからといって、すべての子どもを自法人の事業所へ案内するということではありません。

 

保護者の意向を確認し、地域の相談窓口や他の児童発達支援事業所も含めた選択肢の中から、その子に合う支援につなげることが前提です。

 

その上で、保育法人自身が発達支援について理解を深めていることは、子どもの発達について保護者と話す際にも役立ちます。

保育と療育の両方から未就学児の育ちを支えられる

児童発達支援を利用する子どもの中には、保育園や幼稚園と児童発達支援を併行して利用する子どももいます。

 

園では集団の中でどのように過ごしているのか、児童発達支援では個別の場面でどのような力を発揮しているのか、それぞれの場で見える姿は同じとは限りません。

 

たとえば、児童発達支援ではことばで要求を伝えられていても、大人数の園ではうまく伝えられないことがあります。反対に、園では友だちの動きを見ながらできていることが、個別の場面では一人では難しい場合もあります。

 

保育と療育の双方から子どもの姿を見ることで、「できる・できない」だけではなく、どのような環境なら力を出しやすいのかまで見えてきます。

 

同じ法人で運営する場合も、必要な同意や情報管理を前提として連携し、園と児童発達支援事業所のそれぞれの役割を保ちながら子どもの育ちを支えることが重要です。

法人内で発達について相談できる体制を作れる

保育園や幼稚園では、保護者から発達について相談を受けることがあります。

 

「ことばが遅い気がする」「他の子と遊ばない」「落ち着きがない」「小学校生活が心配」といった相談を受けても、園だけではどこまで答えればよいのか迷う場面もあるでしょう。

 

児童発達支援を運営することで、法人内に、発達支援の視点から相談を受けられる職員・事業所を持てます。園の職員がすべて療育の専門家になる必要はありませんが、気になる姿が見られたときに児童発達支援の視点から相談できる体制があることで、保護者への支援の幅を広げることができます。

 

また、児童発達支援側にとっても、保育現場がどのような環境で子どもを支えているのかを理解する機会が増えます。

保育と療育が互いの役割を知ることで、法人内で保育と発達支援をつなぎやすくなります。

児童発達支援は既存園への併設と別拠点での開設を検討できる

 

保育園・幼稚園運営法人が児童発達支援へ参入する場合、既存施設と同じ建物での開設を検討するケースと、新たな拠点を設けるケースがあります。

 

どちらが適しているかは、既存施設の広さや人員、地域のニーズ、児童発達支援で提供したい療育によって変わります。

既存の保育施設に併設する場合は設備・人員の条件を確認する

既存の保育施設に空いている部屋やスペースがある場合、「ここを児童発達支援として使えないか」と考えることがあります。

 

ただし、空きスペースがあることと、児童発達支援事業所として使用できることは同じではありません。

 

児童発達支援として必要な設備を確保できるか、子どもの支援に適した動線になっているか、保育園・幼稚園側の運営に支障が出ないかなどを確認する必要があります。

 

人員についても同様です。保育園や幼稚園の職員がいるからといって、そのまま児童発達支援の人員配置を満たすわけではありません。

 

保育所等と児童発達支援事業所の子どもを交流させる場合など、一定の要件のもとで職員の兼務等が認められる特例があります。ただし、施設種別や運営方法によって適用条件が異なり、併設すれば自由に共用・兼務できるわけではありません。

 

既存園への併設を検討する場合は、具体的な平面図や職員配置案を用意し、正式に計画を進める前に指定権者へ確認することが重要です。

別拠点で開設する場合は保育事業との連携方法を決めておく

既存園とは別の場所に児童発達支援事業所を開設する方法もあります。

 

別拠点であれば、児童発達支援として必要な療育環境を一から考えやすく、既存園の保育スペースや運営時間に左右されにくいという特徴があります。

 

一方、場所が分かれることで、保育事業と児童発達支援事業が同じ法人内にあっても、職員同士の交流が少なくなることがあります。

 

そのため、園と児童発達支援事業所でどのように情報交換するのか、発達について相談があった場合にどのようにつなぐのか、職員同士が学ぶ機会をどう作るのかなどを決めておくことが重要です。

 

同じ法人で運営するメリットを活かすには、同じ建物にあるかどうかよりも、それぞれの事業が役割を理解し、必要な場面で連携できる仕組みを持っていることが重要です。

児童発達支援への参入が向いている保育園・幼稚園運営法人

 

すべての保育園・幼稚園運営法人が児童発達支援を始める必要があるわけではありません。

 

現在の園でどのような相談が増えているのか、法人として今後どこまで未就学児と家庭を支えたいのかを考えた上で参入を判断する必要があります。

発達が気になる子どもや保護者からの相談が増えている法人

日々の保育の中で、発達について気になる子どもへの関わり方を職員が悩むことが増えていたり、保護者から発達相談を受ける機会が増えていたりすることは、児童発達支援への参入を検討する一つのきっかけになります。

 

園の中だけで対応しようとすると、担任や主任など一部の職員に負担が集中することもあります。

 

児童発達支援という別の支援機能を法人として持つことで、保育と療育の役割を分けながら、発達について相談・検討できる体制を作ることができます。

 

ただし、園で気になる姿があることと児童発達支援の利用が必要であることは同じではありません。保護者の意向や子どもの状況を踏まえ、必要に応じて地域の相談機関とも連携することが前提です。

保育だけでなく未就学期の発達支援まで提供したい法人

保育園や幼稚園では、多くの子どもが集団の中で生活します。

 

その一方で、子どもによっては、少人数や個別の環境でじっくり取り組むことで力を発揮しやすいことがあります。

 

法人として「集団生活を支える保育・幼児教育」に加え、「一人ひとりの発達に合わせた療育」まで提供したいのであれば、児童発達支援は既存の保育事業と接点を持ちながら展開できる事業です。

 

ゆめラボでは、一人ひとりの発達段階に合わせた個別療育を中心に、未就学児の支援を行っています。保育とは異なる環境で子どもと向き合うことで、園だけでは見えにくかった子どもの力や、支援の手がかりを見つけられることがあります。

地域の子育て支援機能をさらに広げたい法人

地域で長く保育園や幼稚園を運営している法人は、すでに多くの子どもや家庭、地域の関係機関とのつながりを持っています。

 

その法人が児童発達支援を始めることで、保育や幼児教育だけでは対応しにくかった発達支援についても、発達支援の相談先・支援先として地域に関われます。

 

特に、地域に発達相談の場が少ない、児童発達支援事業所の選択肢が限られているといった状況がある場合は、法人が児童発達支援を担うことで地域の支援先の選択肢を増やせます。

 

重要なのは、事業を増やすこと自体を目的にするのではなく、「この地域でどのような支援が不足しているのか」「自法人がその役割を担えるのか」を確認することです。

 

これまで地域の子育てを支えてきた法人が、その経験を活かして未就学期の発達支援まで役割を広げることは、保育経験を活かした事業展開の一つになります。

まとめ|保育園・幼稚園の経験を活かして児童発達支援を始めるならゆめラボへ

 

保育園・幼稚園運営法人は、未就学児の発達を見てきた経験、保護者との関係づくり、保育士の採用・育成など、児童発達支援にも活かせる多くの経験を持っています。

 

一方で、児童発達支援は保育事業の延長としてそのまま始められるものではありません。児童発達支援管理責任者を含む人員体制、児童発達支援計画、設備や運営など、障害児通所支援として必要な体制を新たに作る必要があります。

 

保育と療育は役割が異なりますが、どちらも未就学期の子どもの育ちを支える事業です。それぞれの役割を理解して連携することで、園での集団生活と児童発達支援での個別の関わりをつなぎ、子どもと家庭への支援を広げることができます。

 

ゆめラボでは、未就学児を対象とした児童発達支援事業所を運営し、個別療育を中心とした支援を行っています。

 

保育園や幼稚園の運営経験を活かして児童発達支援へ参入したい法人に対しても、フランチャイズ本部として開業準備から事業所運営まで支援しています。

 

「既存の保育事業と児童発達支援をどのようにつなげられるのか」「併設と別拠点のどちらが自法人に合うのか」を検討している方は、ゆめラボの児童発達支援フランチャイズへご相談ください。

 

現在の施設や運営状況、開業を検討している地域を踏まえてご案内します。

 

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