フランチャイズブログ
法人が新規事業としてフランチャイズを比較するとき、売上規模とあわせて確認したいのが「1回の購入・利用や1件の契約でどの程度の売上が発生する事業なのか」という点です。
同じ月商300万円を目指すフランチャイズでも、1件30万円の売上が発生する事業と、1件3,000円の事業では、必要な件数が大きく異なります。
前者なら単純計算で10件、後者なら1,000件の購入・利用が必要です。
必要な購入・利用・契約件数が変われば、集客の方法、問い合わせ件数、契約までの営業活動、1件の売上がなくなったときの影響も変わります。
そのため、フランチャイズを比較するときは「単価が高い方が良い」「低価格だから顧客を集めやすい」と単純に判断することはできません。
このページでは、児童発達支援事業所のフランチャイズ本部を運営するゆめラボが、高単価型と低単価型のフランチャイズでは必要顧客数や集客がどのように変わるのか、法人の新規事業という視点から解説します。
高単価・低単価のフランチャイズは売上の作り方が異なる
事業の売上を考える基本の一つが「客数×客単価」です。
客単価が変われば、同じ売上目標を達成するために必要な件数も変わります。
これはフランチャイズでも同じです。
ここでいう客数は、必ずしも顧客の実人数と同じではありません。同じ顧客が複数回購入・利用する事業では、売上を考える際に購入・利用・契約の件数と実際の顧客数を分けて見る必要があります。
1件あたりの売上が大きい事業では少ない件数でも売上を作れますが、1件あたりの売上が小さい事業では、より多くの購入・利用件数を確保する必要があります。
高単価型は1回の購入・利用や1契約あたりの売上が大きい事業モデル
高単価型フランチャイズは、1回の購入・利用や1件の契約によって比較的大きな売上が発生する事業モデルです。高額な商品を販売する事業だけでなく、1契約あたりの売上が大きくなるサービスなども、この考え方で捉えることができます。
1件あたりの売上が大きいため、同じ売上目標なら必要な購入・利用・契約件数は少なくなります。
たとえば月300万円の売上を作る場合、平均単価が30万円なら10件の成約で300万円になります。
一方、1件あたりの金額が大きい商品・サービスでは、顧客が契約や購入を判断するまでに比較検討を行う場合があります。
そのため、高単価型では「何件の成約が必要か」だけでなく、その契約を獲得するまでにどのような説明や提案が必要なのかまで見る必要があります。
低単価型は1件あたりの売上が小さく、多くの購入・利用件数で売上を作る事業モデル
低単価型フランチャイズは、1回の購入や利用による売上が比較的小さく、その分、多くの購入・利用によって売上を作る事業モデルです。
日常的に購入される商品や、利用時の支払額が小さいサービスなどでは、この売上構造が見られます。たとえば月300万円の売上を目標とし、平均客単価が3,000円であれば、単純計算では1,000件の購入・利用が必要です。
1件あたりの金額は小さくても、同じ顧客が繰り返し利用したり、一人が複数の商品を購入したりすることで売上を作る業態もあります。
低単価型では、客単価だけを見るのではなく、どの程度の購入・利用件数によって売上が成立する事業なのかを確認する必要があります。
同じ売上でも客単価によって必要な顧客数・件数は変わる
高単価型と低単価型を比較するとき、最初に確認したいのが「目標売上を達成するために何件の購入・利用・契約が必要なのか」です。
月300万円という同じ売上目標でも、平均単価30万円なら10件、3万円なら100件、3,000円なら1,000件が必要になります。
この違いは、単に数字上の件数が変わるだけではありません。
必要件数が10件の事業と1,000件の事業では、広告や営業、店舗への来店数、問い合わせ対応など、顧客を獲得するために必要な仕組みも異なります。
法人がフランチャイズを比較するときは、モデル売上だけを見るのではなく、その売上が「何件×いくらの客単価」で作られているのかまで確認する必要があります。
高単価型フランチャイズは同じ売上目標でも必要件数が少なくなる
高単価型フランチャイズの特徴は、1件あたりの売上が大きいため、同じ売上目標なら必要な購入・利用・契約件数を少なくできることです。
ただし、必要件数が少ないことだけで、高単価型の方が優れた事業モデルだと判断することはできません。
1件の契約が売上に占める割合や、契約までの顧客との接点もあわせて見る必要があります。
同じ売上目標なら1件あたりの単価が高いほど必要件数は少なくなる
売上を客単価と件数に分けると、高単価型の特徴が分かります。1件あたり10万円の事業で月300万円を目指すなら30件、30万円なら10件が必要です。
このように客単価が上がれば、同じ売上を作るために必要な成約件数は減ります。
多数の顧客を確保することが難しい商圏や、1人の顧客に時間をかけてサービスを提供する業態では、少ない件数でも売上を作れる構造が事業モデルに合う場合があります。
一方で、客単価が高くても、そもそも契約を獲得できなければ売上は発生しません。
必要件数だけではなく、その件数を実際に獲得できる販売・営業の仕組みがあるかまで確認する必要があります。
高単価型は1件が売上に占める割合も大きくなりやすい
高単価型では、必要件数を少なくできる一方、1件が売上全体に占める割合も大きくなりやすくなります。そのため、1件の購入や契約がなくなった場合に、売上へどの程度影響するのかも確認する必要があります。
「必要な件数が少ない」という面だけを見るのではなく、少数の顧客や取引への売上依存度もあわせて見る必要があります。
高単価サービスでは契約までの説明や提案が重要になる
高額な商品やサービスでは、顧客が即決するのではなく、内容や価格を確認し、他社と比較してから判断する場合があります。
そのような事業では、広告によって問い合わせを集めた後、契約につなげるまでの流れが必要です。
問い合わせ後に商品・サービスの内容を説明し、顧客の課題や希望を確認しながら提案し、契約につなげます。
法人向けサービスなどでは、担当者だけでなく社内決裁を経て契約となることもあります。
高単価型フランチャイズを検討するときは、本部がどのように見込み顧客を獲得しているのかだけでなく、問い合わせから契約までどのような営業プロセスを設けているのかも確認する必要があります。
低単価型フランチャイズは多くの購入・利用件数が必要になる
低単価型フランチャイズでは、1件あたりの売上が小さい分、同じ売上目標を達成するために必要な購入・利用件数が増えます。
そのため、低単価型では商品やサービスの価格だけでなく、必要な件数を確保できる集客経路があるかが重要になります。
同じ売上目標なら1件あたりの単価が低いほど購入・利用件数は増える
客単価が3,000円で月300万円を売り上げるには、単純計算で1,000件の購入・利用が必要です。客単価が1,000円なら、同じ売上を作るためには3,000件が必要になります。
もちろん実際には同じ顧客が月に複数回来店する業態もあるため、「1,000件=1,000人」とは限りません。重要なのは、低単価であるほど一定の売上を作るために必要な購入・利用件数が多くなるという点です。
フランチャイズ本部から売上モデルを提示された場合も、売上高だけを見るのではなく、その数字が何人の顧客と何回の購入・利用を前提としているのかまで確認する必要があります。
多くの顧客と接点を持つ集客の仕組みが必要になる
低単価型で多くの購入・利用件数を必要とする場合、それに見合った集客経路が必要です。店舗型であれば立地や通行量、看板、店頭での認知などが顧客数に影響する業態があります。
オンラインで販売する事業なら、検索、広告、SNS、ECサイトなどを通じて多くの見込み顧客へ情報を届ける必要があります。
毎月1,000件の購入・利用が必要な事業で、そもそも十分な顧客接点を作れないのであれば、計画した売上を達成することは難しくなります。
低単価型では「販売しやすい価格か」だけでなく、その価格で必要な購入・利用件数を確保できる集客環境があるかまで確認する必要があります。
低単価の商品・サービスは購入・利用を検討しやすい場合がある
1回あたりの支払額が小さい商品・サービスは、高額な契約と比べて購入判断に時間がかかりにくい場合があります。
日常生活で頻繁に利用する商品や、初回利用の負担が小さいサービスであれば、顧客が試しやすい業態もあります。
ただし、価格が低ければ必ず顧客が増えるわけではありません。
商品・サービスそのものに需要があるか、競合と比べて選ばれる理由があるか、顧客が利用しやすい場所や販売経路があるかによって実際の顧客数は変わります。低単価型を選ぶ場合も、「安いから売れる」と考えるのではなく、必要な購入・利用件数を確保できる事業モデルかを確認する必要があります。
高単価型と低単価型では必要な集客量が異なる
売上目標と客単価から必要件数を算出したら、次に確認したいのが、その件数を獲得するためにどの程度の集客が必要なのかです。
特に問い合わせや商談を経て契約するフランチャイズでは、必要契約数と必要問い合わせ数は同じではありません。
売上目標から必要な顧客数・購入件数を逆算して考える
フランチャイズの収益モデルを見るときは、「月商○万円」という結果だけを見るのではなく、そこから必要件数を逆算します。
たとえば月300万円が目標で、平均客単価が5万円なら60件、10万円なら30件、30万円なら10件が必要です。
この必要件数が、自社が参入する地域や販売チャネルで現実的に獲得できる件数なのかを確認します。客単価が高ければ必要件数は少なくなりますが、成約率まで同じとは限りません。
反対に、客単価が低く購入しやすい商品でも、必要件数が非常に多ければ、多くの顧客接点が必要になります。
成約率を踏まえると必要な問い合わせ数も変わる
問い合わせや商談から契約へ進む事業では、必要契約数だけではなく成約率も確認する必要があります。
たとえば10件の契約が必要で、問い合わせから契約までの成約率が25%なら、単純計算では40件の問い合わせが必要です。
必要契約数が30件なら、同じ成約率では120件の問い合わせが必要になります。
このように、売上目標から必要契約数を求め、さらに成約率から必要な問い合わせ数を考えることで、必要な集客件数を具体的に把握できます。
ただし、成約率はブランド、業種、価格、地域、集客経路などによって異なります。本部から数字が提示される場合は、実際の加盟店データなのか、どの条件を前提とした数値なのかも確認する必要があります。
客単価だけでなく顧客獲得までの流れを比較する
高単価型と低単価型を比較するとき、客単価だけでは事業の集客負担を判断できません。
広告を見てすぐ購入する商品なのか、問い合わせ後に面談や商談が必要なのか、体験利用を経て契約するのかによって、顧客獲得までの流れは異なります。
高単価でも成約率が高く、少ない問い合わせから必要契約数を獲得できる事業もあります。
反対に、単価が低くても必要件数が多く、多くのアクセスや来店を継続して確保しなければならない事業もあります。
フランチャイズの売上構造を比較するときは、客単価、必要件数、問い合わせ・来店数、成約率をつなげて確認する必要があります。
高単価型と低単価型では1件の売上への影響が異なる
客単価の違いは、必要件数だけでなく、1件の購入・利用・契約が売上全体へ与える影響にも関係します。
少数の高単価取引で売上を作る事業と、多数の低単価取引で売上を作る事業では、売上の構成が異なります。
高単価型は1件が売上に占める割合が大きくなりやすい
高単価型では、少ない件数でも売上を作れる一方、1件あたりの売上比率が高くなりやすい特徴があります。
10件で売上を構成する事業なら、単純化すると1件が全体の10%を占めます。
その1件の契約が終了したり、購入がなくなったりすれば、同じ売上を維持するためには新しい契約を獲得するか、他の顧客からの売上を増やす必要があります。
特に法人契約など、1社あたりの取引金額が大きい事業では、特定顧客への売上依存度も確認する必要があります。
高単価型では「必要件数を抑えやすい」ことと「少数顧客への依存度が高くなりやすい」ことをセットで見る必要があります。
低単価型は多数の購入・利用によって売上を構成しやすい
低単価型では、多くの購入・利用件数によって売上を構成します。
1件の購入が売上全体に占める割合は小さいため、特定の顧客が1回利用しなくなっただけで売上全体が大きく変わるとは限りません。
一方で、多数の顧客による購入・利用を継続して確保する必要があります。
必要件数が多い事業では、少数の大口顧客を管理するのとは異なり、多くの顧客への販売、接客、予約、決済などを処理できる運営体制も必要になります。
低単価型では、1件あたりの影響の小ささだけでなく、多数の顧客を継続して獲得・対応できる事業なのかを確認する必要があります。
客単価と必要件数の組み合わせで売上構造を見る
フランチャイズの売上構造は、客単価の高低だけでは評価できません。
高単価でも必要契約数を獲得するまでに多くの営業活動が必要なら、それに対応できる営業体制が必要です。低単価でも多くの顧客が日常的に利用する業態なら、多くの利用件数を処理できる店舗やシステムが必要になります。
見るべきなのは「単価が高いか低いか」ではなく、その単価で目標売上を作るために何件の購入・利用・契約が必要で、その件数を自社が獲得・対応できるかです。
この視点で比較すると、高単価型と低単価型のどちらが自社の経営資源に合っているかを判断しやすくなります。
法人の新規事業では高単価型と低単価型のどちらを選ぶ?
法人が新規事業としてフランチャイズを選ぶ場合、高単価型と低単価型のどちらが適しているかは、客単価だけでは決まりません。
営業力、集客力、店舗運営の経験、商圏、自社が確保できる人員などによって、現実的に獲得できる件数は変わります。
少ない販売・契約件数で売上を作るモデルなら高単価型を検討しやすい
多数の顧客を継続して集めるより、一定数の顧客へ時間をかけて商品・サービスを提供する事業を考えている法人では、高単価型の売上構造が候補になります。
特に営業担当者が顧客ごとに提案を行う事業や、専門性の高いサービスを提供する事業では、顧客数だけを増やすことが事業モデルに合わない場合があります。
ただし、高単価型では必要契約数が少なくても、その契約を獲得する営業力や、契約後に価格に見合う商品・サービスを提供できる体制が必要です。
法人として高単価型を検討するときは、自社に見込み顧客を契約へつなげる営業・提案力があるかを確認する必要があります。
多くの販売・利用件数で売上を作るモデルなら低単価型を検討しやすい
多くの顧客へ商品・サービスを提供し、利用件数を積み上げて売上を作る事業を考えている法人では、低単価型が候補になります。
店舗への来店数を確保できる立地や、多くの消費者へ商品を届けられる販売チャネルを持っている企業では、その経営資源を活かせる場合があります。
一方、低単価型では多くの顧客を獲得するだけでなく、その顧客へ商品・サービスを提供できる運営体制も必要です。必要件数が多いモデルほど、集客から販売・サービス提供・会計までを効率よく処理できるかが重要になります。
単価の高さではなく自社が必要な顧客数・購入件数を確保できるかで比較する
高単価型と低単価型のどちらを選ぶかを考えるとき、「高単価だから売上を作りやすい」「低単価だから集客しやすい」という理由だけで決めることはできません。高単価型なら、少ない販売・契約件数でも売上を作れる代わりに、その契約を獲得する営業力や提案力が求められる事業があります。
低単価型なら、購入や利用の負担を抑えやすい一方、目標売上に必要な多数の購入・利用件数を確保する必要があります。
法人が確認すべきなのは、自社の営業力や集客方法、商圏、運営体制で、事業計画上必要となる顧客数や購入・利用件数を現実的に確保できるかという点です。
法人がフランチャイズを利用して新規事業へ参入する場合の考え方については、法人の新規事業にフランチャイズは向いている?ゼロから立ち上げる場合との違いを比較でも詳しくご紹介しています。
まとめ|フランチャイズは客単価と必要顧客数から売上構造を比較しよう
高単価型と低単価型のフランチャイズでは、同じ売上目標でも必要な購入・利用・契約件数が異なります。
高単価型は1回の購入・利用や1契約あたりの売上が大きいため、少ない件数でも売上を作りやすい一方、1件が売上全体に与える影響も大きくなりやすい事業モデルです。
低単価型は1件あたりの売上が小さいため、より多くの購入・利用件数が必要になり、多数の購入・利用によって売上を構成します。さらに、問い合わせや商談を経て契約する事業では、客単価と必要件数だけでなく、成約率から必要な問い合わせ件数まで逆算する必要があります。
フランチャイズを比較するときに見るべきなのは、単価の高さそのものではありません。
「目標売上を作るために何件の購入・利用・契約が必要なのか」「その件数を獲得するために何件の問い合わせや来店が必要なのか」「自社がその集客と運営を実現できるのか」まで確認することで、事業モデルを具体的に比較できます。
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