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新規事業を検討する企業の中には、児童発達支援に関心を持つ法人もあるのではないでしょうか。
児童発達支援は、発達に支援が必要な未就学児を対象とする障害児通所支援です。子どもや家庭を支える社会的な役割がある一方、児童福祉法に基づく指定事業であるため、一般的な店舗ビジネスやサービス業とは異なる仕組みで運営します。
そのため、「新しい事業の柱になりそうだから」「これまでの事業運営の経験を活かせそうだから」という理由だけで参入を決めるのではなく、児童発達支援という事業の性質を理解し、自社との相性を確認することが欠かせません。
特に異業種から福祉事業へ参入する場合は、本業で培った経営経験を活かせる部分と、児童発達支援のために新たに整えなければならない部分を分けて考える必要があります。
このページでは、企業の新規事業として児童発達支援を検討する法人に向けて、参入前に確認したい事業特性、本業との相性、社内体制について、児童発達支援事業所ゆめラボが解説します。
Contents
企業が新規事業で児童発達支援へ参入する前に知っておきたい事業特性
児童発達支援を新規事業の候補として考えるなら、最初に一般的な民間サービスとの違いを理解しておく必要があります。
児童発達支援は、提供内容や運営方法を企業の判断だけで自由に決められる事業ではありません。制度上の基準に沿って事業所を運営しながら、子ども一人ひとりに必要な発達支援を継続して提供します。
児童福祉法に基づく指定事業として運営する
児童発達支援は、児童福祉法に基づく障害児通所支援の一つです。
企業が児童発達支援事業所を開業する場合は、必要な人員、設備、運営体制を整え、開業する地域を管轄する指定権者から指定を受けて事業を開始します。
法人格・人員基準・設備基準・運営基準については、児童発達支援事業所の開業条件とは?法人格・人員基準・設備基準・運営基準を解説で詳しくご紹介しています。
この点は、物件と人材を用意すれば営業を始められる一般的な事業とは大きく異なります。
開業後も指定基準に沿った運営が求められるため、新規事業担当者だけが制度を理解していればよいわけではありません。経営側も、児童発達支援がどのような制度の上で成り立っているのかを把握した上で事業判断を行う必要があります。
指定事業であっても、経営の視点は欠かせません。必要な人材を配置し、支援の質を保ち、地域で継続して事業所を運営していくという経営責任は企業側にあります。
未就学児へ継続的な発達支援を提供する
児童発達支援では、主に就学前の子どもを対象に、日常生活に必要な動作やことば、コミュニケーション、運動、集団生活への適応など、子どもの発達段階に応じた支援を行います。
児童発達支援は、一度の利用で支援が完結する事業ではありません。子どもの変化を見ながら支援内容を考え、保護者とも情報を共有しながら継続して関わっていきます。
同じ年齢であっても、得意なことや苦手なこと、家庭や園で困っている場面は一人ひとり違います。そのため、決められたサービスを全員に同じように提供するのではなく、それぞれの発達や生活に合わせた支援が必要です。
企業の新規事業として考える場合も、この「一人ひとりの育ちに継続して関わる」という児童発達支援の性質を理解しておかなければなりません。
実際に児童発達支援の現場でどのような支援を行うのかについては、児童発達支援ってどんな仕事?子ども一人ひとりに寄り添う支援の中身でもご紹介しています。
地域の利用ニーズを確認して出店エリアを決める必要がある
児童発達支援は、どの地域に開業しても同じように利用ニーズがあるとは限りません。
企業側が出店したい地域だけで判断するのではなく、その地域の未就学児人口はどの程度か、すでにどのような児童発達支援事業所があるのか、地域でどのような発達支援が求められているのかを確認した上で開業エリアを考える必要があります。
同じ児童発達支援でも、個別療育を求める家庭が多い地域もあれば、小集団での支援や長時間利用へのニーズが見られる地域もあります。
地域の状況を確認せずに「人口が多いから」「自社の拠点が近くにあるから」という理由だけで出店場所を決めると、地域が求めている支援と事業所の特徴が合わないことがあります。
新規事業として児童発達支援へ参入する場合は、自社の事業構想だけで決めるのではなく、その地域で必要とされる支援と重なるかを確認することが重要です。
児童発達支援を新規事業にするなら本業との相性を確認する
異業種から児童発達支援へ参入する場合でも、本業で培ってきた経験の中には、児童発達支援の運営にも活かせるものがあります。
業種そのものが違っても、人材の採用・育成、拠点運営、地域との関係づくりなど、企業として積み上げてきた経験を活かせる部分があります。
重要なのは、「自社は福祉業界ではないから向いていない」と考えるのではなく、本業のどの経験が児童発達支援の経営に活かせるのかを見極めることです。
人材を採用・育成する仕組みを持つ企業は経験を活かしやすい
児童発達支援は、人が子どもに直接支援を提供する事業です。
設備やシステムだけでは事業所の支援の質は決まりません。児童発達支援管理責任者、保育士、児童指導員などがそれぞれの役割を理解し、共通の方針で子どもと家庭を支えられる組織を作る必要があります。
そのため、これまでの本業で採用活動を行い、入社後の研修や面談、人材育成、組織づくりに取り組んできた企業は、その経験を児童発達支援事業の運営にも活かせます。
ただし、本業の研修内容をそのまま使うという意味ではありません。療育や発達支援については児童発達支援に必要な知識を新たに学ぶ必要があります。
活かせるのは、人を採用して終わりではなく、入社後に育て、同じ方針で仕事ができる組織を作ってきた経験です。
複数の拠点や事業所を管理してきた経験を活かせる
複数店舗、営業所、教室、施設などを運営している企業は、拠点管理の経験を児童発達支援事業にも活かせます。
一つの事業所には、現場の支援だけでなく、職員の勤務管理、利用状況の確認、行政への対応、保護者との連絡、事故やトラブルへの対応など、日々さまざまな管理業務があります。
本部と現場の役割を分け、責任者に必要な権限を持たせながら、経営側が事業所の状況を把握する仕組みを持っている企業であれば、児童発達支援でもその管理経験を活用できます。
一方、本社が現場を細かく管理しすぎると、子どもの状況に応じた判断が遅れることがあります。反対に、現場へすべて任せてしまえば、法人として事業所の運営状況を把握できません。
本部と現場の役割分担を設計してきた経験は、児童発達支援の運営にも活かせます。
地域に根付いた事業を長期的に育てたい企業と相性が良い
児童発達支援は、開業後も継続して地域との関係づくりが必要な事業です。
利用する子どもや保護者だけでなく、保育園、幼稚園、認定こども園、相談支援事業所、自治体、医療機関など、地域のさまざまな関係機関とのつながりが生まれます。
こうした関係は、一度の営業活動で築けるものではありません。地域の中で支援を続け、事業所がどのような子どもを支援しているのかを知ってもらいながら、少しずつ信頼を積み上げていきます。
そのため、短期的な成果だけで判断するのではなく、一つの地域で腰を据えて事業を育てたい企業との相性が良い分野です。
すでに店舗運営、教育、介護、住宅関連などの地域密着型事業を展開し、地域との関係を大切にしてきた企業であれば、その考え方を児童発達支援にも活かすことができます。
既存事業の仕組みをそのまま児童発達支援へ転用できるわけではない
本業での経営経験は児童発達支援にも活かせますが、既存事業の運営方法をそのまま当てはめることはできません。
特に異業種から福祉事業へ参入するときは、「これまでうまくいった方法だから児童発達支援でも同じようにできる」と
考えず、児童発達支援独自の制度と支援の考え方を理解し、それに合わせた運営体制を作る必要があります。
児童発達支援には専門職を含めた独自の人員体制が必要
児童発達支援事業所では、企業側が自由に職種や人数を決められるわけではありません。児童発達支援管理責任者をはじめ、児童指導員や保育士など、指定基準に基づいた人員体制を作る必要があります。
たとえば本業に優秀な店長や営業責任者がいても、児童発達支援に必要な専門職の配置要件を満たすとは限りません。経営やマネジメントを担う人材と、発達支援を担う専門人材の役割を分けて考える必要があります。
企業が持つ採用力や人材育成力は活かせますが、「誰を配置すれば児童発達支援事業所として運営できるのか」という点は、本業とは別に考えなければなりません。
保護者の要望だけでなく子どもの発達に基づいて支援する
児童発達支援でも、保護者の希望を受け止めることは重要です。ただし、希望にそのまま応えることだけが支援ではありません。
保護者の希望を受け止めながらも、子どもの発達段階や生活の様子を確認し、児童発達支援計画に基づいて必要な支援を提供します。
たとえば、保護者から「文字を書けるようにしてほしい」という希望があったとしても、子どもの今の発達によっては、手指の使い方や姿勢、活動に向かう力など、その前段階から支援した方がよい場合があります。
企業側も、児童発達支援を単なる「子ども向けサービス」として捉えるのではなく、専門的な判断を伴う発達支援事業として運営する必要があります。
既存事業とは別に指定基準に沿った運営管理が必要になる
本業に社内規程や店舗運営マニュアルがあっても、それだけで児童発達支援事業所を運営することはできません。
児童発達支援には、人員、設備、運営などの指定基準があり、事業所として必要な記録や計画、研修、安全管理などにも対応する必要があります。
本社の管理部門が労務、経理、採用などを支えることはできますが、児童発達支援事業所として行わなければならない業務まで本業と同じ方法に統一することはできません。
異業種から参入するときは、本業の管理機能を活用する部分と、児童発達支援独自の運営体制を作る部分を分けて考えることが必要です。
企業が児童発達支援へ参入する前に社内で決めておきたいこと
企業が新規事業を始めるときには、開業そのものだけでなく、開業後に誰が事業を動かすのかまで決めておく必要があります。
児童発達支援の場合は、現場に専門職がいても、経営側が担うべき管理責任は残ります。経営側と事業所側、それぞれの役割を参入前に決めておくことが重要です。
新規事業を担当する責任者と社内の役割を決める
まず決めたいのは、社内で誰が児童発達支援事業を担当するのかです。
新規事業担当者が開業準備だけを担当し、開業後の担当が曖昧なままでは、現場と本社の連携が弱くなります。開業後も、利用状況、人材、支援体制、行政対応などについて事業所と連携できる社内責任者が必要です。
また、経営者、新規事業責任者、事業所管理者、児童発達支援管理責任者が、それぞれ何を判断するのかを明確にしておくことも欠かせません。
特に、専門的な支援判断と事業運営に関する経営判断の境界を決めておく必要があります。
本業と児童発達支援事業の管理体制を分ける
児童発達支援を新規事業として始める場合、本業と同じ法人の中で運営するケースもあります。
その場合でも、本業と同じ管理指標だけで見るのではなく、児童発達支援事業の運営状況を個別に把握できる管理体制が必要です。
たとえば、人員が指定基準を満たしているか、必要な研修が行われているか、現場で支援上の課題が起きていないかといった点は、本業の売上や業務進捗だけを確認していても把握できません。
本社の総務、経理、人事など既存部門を活用しながら、児童発達支援については児童発達支援特有の確認事項を管理できる体制を作ることが必要です。
開業後も継続して人材と支援の質に投資できる体制を作る
児童発達支援事業は、開業時に研修を行えば、その後は同じ支援を続ければよいというものではありません。
職員が新しく入社することもあれば、子どもの支援について職員同士で検討が必要になることもあります。制度改正やガイドラインの変更があれば、職員への周知や研修内容の見直しも必要です。
そのため企業側には、採用だけでなく、入社後の研修、現場での育成、支援内容の振り返りを継続できる体制が求められます。
新規事業では開業準備に意識が集中しがちですが、児童発達支援で重要なのは、開業した後に地域の子どもと保護者へ継続して支援を提供できることです。
開業時の計画だけではなく、数年後も人材を育て、支援の質を維持していけるかまで考えることが、新規事業として参入する際の重要な判断材料になります。
児童発達支援が新規事業として向いている企業とは?
児童発達支援に向いているかどうかは、現在の業種だけでは決まりません。
教育、介護、保育など子どもや福祉に近い業種でなくても、企業としてどのような事業を育ててきたのか、今後どのような事業を育てたいのかによって相性は変わります。
新規事業として児童発達支援を検討する際は、次のような考え方を持っている企業かどうかを確認してみてください。
地域密着型の事業を新たな柱にしたい企業
児童発達支援は、地域の子どもと家庭を支える事業です。
利用する家庭との関係だけでなく、園や相談支援事業所、自治体などとのつながりも生まれるため、地域との関係づくりを欠かすことはできません。
その地域で長く事業を続け、地域から必要とされる拠点を増やしたい企業にとっては、新規事業の方向性と合いやすい分野です。
拠点数を増やす場合も、地域との関係づくりに必要な時間を事業計画に織り込んでおく必要があります。
人材を中心とした事業運営の経験がある企業
児童発達支援では、職員一人ひとりの関わりが支援の質に直結します。
そのため、採用後の育成や、職員が力を発揮できる環境づくりに取り組んできた企業は、児童発達支援でもその経験を活かしやすいでしょう。
接客業、教育業、介護事業、店舗運営など、これまで人が中心となってサービスを提供する事業を経験している企業であれば、組織づくりの考え方を活かせる場面があります。
特に学習塾や各種スクールなど教育事業を運営している法人については、「教育業」経験者が児童発達支援事業で活きる強み|学習塾・スクール運営の転用ポイントで、児童発達支援に活かせる経験を詳しくご紹介しています。
短期ではなく長期で新規事業を育てたい企業
児童発達支援は、開業後の運営を通じて地域からの信頼を築いていく事業です。
職員が経験を積み、地域の関係機関に事業所の特徴を知ってもらい、家庭から相談先として信頼してもらうまでには、日々の支援の積み重ねが必要です。
そのため、新規事業を短期間だけ試して判断するのではなく、地域で必要とされる事業として長期的に育てたい企業に向いています。
企業として新しい事業の柱を作ると同時に、地域の子どもや保護者に長く関われる事業を持ちたいと考えているのであれば、児童発達支援は新規事業の候補になり得ます。
まとめ|企業の新規事業として児童発達支援への参入を検討するならゆめラボへ
児童発達支援は、企業の新規事業として参入できる分野ですが、指定基準と発達支援の専門性を前提にした運営が必要です。
児童福祉法に基づく指定事業として必要な体制を整え、未就学児一人ひとりの発達に合わせた支援を継続して提供することが前提になります。
一方で、本業で培ってきた人材採用・育成、拠点管理、組織づくり、地域との関係づくりなどの経験は、児童発達支援事業の経営にも活かすことができます。
重要なのは、既存事業をそのまま福祉事業へ置き換えることではありません。本業で活かせる強みを残しながら、児童発達支援に必要な専門人材、支援体制、管理方法を新たに作ることです。
ゆめラボでは、異業種から児童発達支援へ参入する企業に対しても、フランチャイズ本部として事業所の立ち上げから開業後の運営まで支援しています。
「自社の事業経験を児童発達支援に活かせるのか」「新規事業として自社と相性があるのか」を確認したい法人の方は、ゆめラボの児童発達支援フランチャイズへご相談ください。現在の事業内容や出店を検討している地域を踏まえてご案内します。
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