フランチャイズブログ
フランチャイズで新規事業を始める際、「高齢化が進んでいるからシニア・高齢者向け事業」「少子化だから子ども向け事業は避ける」と、人口の増減だけで業界を選んでしまうことがあります。
確かに、日本では65歳以上人口が3,600万人を超える一方、子どもの人口は減少を続けています。総務省統計局によると、2026年4月1日時点の15歳未満人口は1,329万人で、45年連続の減少となりました。一方、2026年3月1日時点の65歳以上人口は3,620万2千人です。
ただし、人口が多ければ、そのまま顧客が多くなるわけではありません。高齢者向けサービスでも、健康状態や生活環境、家族構成によって必要なサービスは異なります。子ども向けサービスも、教育、保育、習い事、発達支援などで対象となる家庭や利用目的が違います。
さらに、高齢者向けサービスでは、利用する本人だけでなく、家族や地域の支援者がサービス選択に関わる場合があります。子ども向けサービスでは、実際に利用するのは子どもでも、情報を探し、問い合わせや契約を行うのは主に保護者です。
フランチャイズの市場性を判断するなら、全国の人口推移を見るだけでなく、「誰がサービスを必要とするのか」「誰が契約や利用を決めるのか」「どこでサービスを知るのか」まで見る必要があります。
このページでは、児童発達支援事業所のフランチャイズ本部を運営するゆめラボが、シニア・高齢者向けビジネスのフランチャイズと子ども向けフランチャイズについて、人口動態、市場性、集客・顧客獲得の違いから比較します。
高齢者向けビジネスのフランチャイズと子ども向けFCの市場性を比較
シニア・高齢者向けビジネスのフランチャイズと子ども向けフランチャイズでは、まず対象となる人口規模と今後の人口推移が異なります。
一方で、年齢だけを見て市場規模を判断することはできません。高齢者向けでも業種によって対象年齢や利用条件は異なり、子ども向けでもサービスによって対象となる年代や家庭は変わります。
FC本部から「高齢化市場だから需要がある」「子育て市場だからニーズがある」と説明された場合も、その言葉だけではなく、その事業の対象者が実際にどの程度いるのかを見る必要があります。
高齢者向け市場は65歳以上の人口規模が大きい
シニア・高齢者向け市場を考える際、一つの基準になるのが65歳以上人口です。
総務省統計局の人口推計によると、2026年3月1日時点の65歳以上人口は3,620万2千人です。また、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」では、65歳以上人口は2040年に約3,928万人になると見込まれています。
この人口規模を背景に、高齢者を対象とする事業には、介護、生活支援、配食、健康、運動、住まい、買い物支援など幅広いサービスがあります。
ただし、65歳以上の人すべてが同じサービスを利用するわけではありません。元気に仕事や趣味を続けている人と、介護や日常生活の支援を必要とする人では、求めるサービスが大きく異なります。
高齢者向けフランチャイズを比較するときは、65歳以上人口全体を市場として捉えるのではなく、その事業が実際に対象としている年齢層、生活状態、利用目的まで確認する必要があります。
子ども向け市場は少子化の影響を受ける業種がある
子ども向けフランチャイズでは、少子化による対象人口の減少を無視することはできません。
総務省統計局の「我が国のこどもの数」によると、2026年4月1日時点の15歳未満人口は1,329万人で、前年から35万人減少しました。子どもの数は長期的に減少しており、学習塾、習い事、学童、幼児向けサービスなどでは、地域によって利用者獲得の競争が激しくなる可能性があります。
一方、子どもの人口が減っているからといって、すべての子ども向け市場が同じように縮小するわけではありません。
たとえば児童発達支援では、子どもの人口が減少する中でも、利用児童数と事業所数は長期的に増えてきました。人口の動きと、特定のサービスを必要とする人の数は、必ずしも同じ方向に動きません。
児童発達支援の利用児童数や事業所数の推移については、児童発達支援の市場は伸びている?事業所数・ニーズ増の背景をご紹介でも解説しています。
対象人口の増減だけで市場の大きさは判断できない
フランチャイズの市場性を見るときに注意したいのは、「人口=顧客数」ではないことです。
高齢者人口が多くても、そのサービスを必要としている人が少なければ、実際の市場は人口全体より小さくなります。さらに、すでに競合店舗や事業所が多数存在する地域では、新しく出店して獲得できる顧客数も限られます。
子ども向け市場でも同様です。地域の子どもの人口が少なくても、特定の教育、預かり、発達支援などへの利用意向が高ければ、一定の需要が存在します。
また、サービスを必要としていても、その存在を知らなければ利用にはつながりません。対象人口のうち何人がサービスを必要とし、何人にサービスの情報が届き、その中から何人が実際に利用するかという流れまで考える必要があります。
FC本部が人口データを示している場合も、人口そのものを市場規模として扱っていないかを確認し、その業態で実際に利用対象となる人数まで見ることが重要です。
同じ業界でも地域によって対象人口は大きく異なる
全国で高齢化や少子化が進んでいても、その程度は地域によって異なります。
高齢者人口の割合が高い地域もあれば、住宅開発によって子育て世帯の流入が続いている地域もあります。市区町村単位だけでなく、同じ市内でも住宅地、新興住宅地、駅周辺、郊外では年齢構成が異なることがあります。
そのため、全国人口だけを根拠に、高齢者向けFCや子ども向けFCの出店を判断することはできません。
高齢者向け事業であれば、商圏内の高齢者人口や世帯構成を見る必要があります。子ども向け事業であれば、未就学児、小学生など実際の対象年齢に分けて人口を確認します。
フランチャイズ本部から商圏分析を提示されたときも、「市全体で高齢者が何人いるか」「子どもが何人いるか」だけではなく、想定商圏の中に対象者がどの程度いるのかを見ることが重要です。
高齢者向け・子ども向けフランチャイズは顧客と意思決定者が違う
シニア・高齢者向け市場と子ども向け市場の違いは、対象人口だけではありません。
実際にサービスを使う人と、サービスを探したり、契約や利用先を決めたりする人が同じとは限らない点も大きな違いです。
この違いを把握しないまま広告や営業を始めると、サービスを必要とする本人がいても、そのサービスを選ぶ人へ情報が届かないことがあります。
高齢者向けサービスは本人だけが顧客とは限らない
高齢者向けサービスには、高齢者本人が自分でサービスを探し、申し込む事業があります。
一方、介護、生活支援、住まいに関するサービスなどでは、本人だけでなく、子どもや配偶者などの家族が情報を集め、サービス選択に関わることがあります。
介護保険サービスでは、ケアマネジャーが利用者の状態や生活環境を把握し、ケアプランを作成したうえで、事業者や関係機関との調整を行う仕組みがあります。このような業種では、一般消費者向け広告だけでは利用までの流れを捉えられません。
反対に、シニア向けフィットネスや旅行、趣味、買い物など、本人が主体となって比較・購入するサービスもあります。
「高齢者向け」という大きなくくりではなく、本人、家族、地域の支援者のうち、誰がサービスを知り、誰が利用先を決める業態なのかを見る必要があります。
子ども向けサービスは保護者が比較・契約を判断する
子ども向けサービスでは、実際にサービスを利用するのは子どもですが、問い合わせや契約を行うのは主に保護者です。
学習塾や英会話、民間学童、習い事などでは、保護者が料金、立地、時間、教育内容、送迎などを比較して利用先を選びます。
そのため、子どもにとって魅力的なサービスであるだけでなく、保護者が「ここなら利用したい」と判断できる情報を伝える必要があります。
児童発達支援の場合も、支援を受けるのは子どもですが、保護者が利用できる事業所を探し、見学や相談を経て利用先を選びます。自治体への相談や、保育園・幼稚園などからの情報提供を通じて事業所を知る家庭もあります。
子ども向けFCの顧客獲得を考えるときは、子どもの年齢や人数だけでなく、保護者が何を基準にサービスを比較するのかまで考える必要があります。
利用者と契約を決める人が異なる事業もある
利用者と契約や利用開始を決める人が異なる事業では、サービスを利用する本人だけを見てマーケティングを考えることはできません。
高齢者向けサービスなら、高齢者本人がサービスを必要としていても、離れて暮らす家族が事業者を探している場合があります。
子ども向けサービスなら、子どもが「通いたい」と感じることも重要ですが、費用を支払い、送迎やスケジュールを調整する保護者の判断も利用開始に影響します。
さらに、公的制度と関係するサービスでは、行政や専門職などとの接点からサービスを知る場合もあります。
FC加盟を検討する際は、「誰が利用者か」だけでなく、「誰がサービスを探すのか」「誰が問い合わせるのか」「誰が契約や利用開始を決めるのか」を分けて確認することが重要です。
FC加盟前に誰へ情報を届ける事業なのか確認する
フランチャイズ本部から集客方法の説明を受けるときは、広告媒体だけでなく、その広告を誰に見てもらう設計なのかを確認します。
高齢者本人へ届けるのか、高齢者の家族へ届けるのかでは、使う媒体も伝える内容も異なります。
子ども向け事業でも、保護者がGoogle検索で探すサービス、SNSで比較されやすいサービス、園や学校周辺で認知されるサービスなど、顧客との接点は一つではありません。
本部が「Web広告を実施します」と説明していても、それだけでは十分な判断材料にはなりません。誰を対象に、どの段階で情報を届け、その後どのように問い合わせや契約へつなげるのかまで確認します。
対象となる人と意思決定者が明確であれば、加盟後に必要な顧客獲得活動も具体的に考えやすくなります。
高齢者向けFCと子ども向けFCでは集客・顧客獲得ルートも異なる
フランチャイズでは、本部がどのような集客・顧客獲得方法を持っているかも、事業選びの重要な判断材料になります。
シニア・高齢者向けサービスと子ども向けサービスでは、利用者がサービスを知る場所や、問い合わせまでの流れが異なります。
検索広告だけで集客する事業もあれば、地域での認知や関係機関との接点が利用につながる事業もあります。
高齢者向けサービスは地域の紹介ルートが重要になる業種がある
高齢者向けFCの中には、地域での信頼や紹介が顧客獲得に大きく関係する業種があります。
特に介護や生活支援などでは、本人や家族がサービスを初めて探す段階で、地域の介護・医療・相談機関などから情報を得ることがあります。
介護保険サービスでは、ケアマネジャーが利用者や家族と相談しながら必要なサービスを検討し、事業者や関係機関との調整を行います。事業者側にとっては、地域の関係機関に自社のサービス内容を知ってもらうことが重要になります。
ただし、すべての高齢者向けビジネスで紹介ルートが中心になるわけではありません。一般消費者向けの健康、運動、趣味、物販などでは、店舗認知やWeb検索、広告が主要な接点になる場合もあります。
高齢者向けFCを見る際は、その業態がWeb集客型なのか、店舗来店型なのか、地域との接点が重要な事業なのかを確認する必要があります。
子ども向けサービスは保護者の検索・口コミ・紹介が接点になる
子ども向けサービスでは、保護者がスマートフォンで地域名とサービス名を検索し、候補を比較する流れが一般的になっています。
学習塾、習い事、民間学童などでは、公式サイト、Google検索、SNS、口コミなど複数の情報を見ながら比較する家庭があります。
一方で、友人や保護者同士の口コミ、兄弟姉妹の利用、園や学校周辺での認知など、Web広告以外の接点もあります。
児童発達支援では、保護者自身の検索に加え、自治体への相談や、保育園・幼稚園などからの情報提供を通じて事業所を知る場合もあります。
子ども向けFCを比較するときは、「広告を出せば集まる」という前提ではなく、保護者がどこで情報を得て、何を見て問い合わせるのかを確認する必要があります。
広告だけで顧客を獲得する事業とは限らない
顧客獲得というと、Web広告やチラシの費用に目が向きやすくなります。
しかし、高齢者向けでも子ども向けでも、広告以外の接点が利用開始につながる業種があります。
地域での口コミ、既存利用者からの紹介、近隣施設からの認知、検索結果での露出など、複数の経路から問い合わせが生まれる事業では、一つの広告媒体だけで集客力を評価することはできません。
また、広告で問い合わせを増やしても、サービス内容や料金、立地などが利用者の希望と合わなければ、契約にはつながりません。
FC本部の顧客獲得力を見るときは、広告費だけではなく、問い合わせがどの経路から入り、そのうちどの程度が利用開始につながっているのかまで確認する必要があります。
本部がどの顧客獲得ルートを持っているか確認する
同じ業種のフランチャイズでも、本部によって顧客獲得の方法は異なります。
検索対策に強い本部、SNS運用を得意とする本部、地域の関係機関への営業方法を標準化している本部、既存利用者からの紹介につながる運営ノウハウを持つ本部など、強みはさまざまです。
加盟前には、本部が「集客支援あり」と説明しているかどうかだけで判断せず、実際に加盟店がどの経路から利用者を獲得しているのかを確認します。
また、本部が全国向けに広告を出すだけなのか、出店地域ごとにWebサイトや地域情報を活用するのかによっても、加盟店側で必要になる活動は変わります。
児童発達支援における利用者獲得や利用率については、開所3か月で満員続出!ゆめラボフランチャイズが高い利用率を生む仕組みでもご紹介しています。
人口動態からフランチャイズの市場性を判断する4つの注意点
人口統計は、フランチャイズの市場性を調べるうえで重要な情報です。
しかし、人口が増えている市場なら成功しやすく、人口が減っている市場なら参入すべきではないと、単純に判断することはできません。
市場を見る際は、対象人口、サービスを必要とする人の割合、競合状況、顧客獲得の方法を組み合わせて考える必要があります。
高齢者人口が増えるだけで売上が増えるわけではない
高齢者人口が大きいことは、シニア・高齢者向け市場を考えるうえで重要な背景です。
ただし、高齢者が増えれば、加盟店の売上も同じ割合で増えるわけではありません。
利用に介護認定などの条件が設けられている事業、特定の健康状態の人を対象とする事業、一定の料金を自己負担できる人を対象とする事業では、高齢者人口全体が顧客候補になるわけではありません。
また、高齢者人口が多い地域ほど、競合サービスも多い可能性があります。需要が大きくても供給がすでに充足していれば、新規出店で獲得できる人数は限られます。
「高齢化率が高い」という数字は入口として使い、その先にある対象者数と競合数まで確認して市場性を判断することが重要です。
子どもの人口が減るだけで子ども向け市場がなくなるわけではない
子どもの人口減少は、子ども向けフランチャイズにとって無視できない変化です。
特に、幅広い子どもを対象に、一定の利用者数を確保することが売上の前提になる事業では、商圏人口の減少が顧客獲得に影響する可能性があります。
一方で、子ども一人あたりに家庭が求める教育や支援の内容が変わったり、以前は利用されていなかったサービスへの需要が高まったりすれば、人口減少と市場需要が同じ動きになるとは限りません。
児童発達支援はその一例で、15歳未満人口が減少する中でも、利用児童数や事業所数は増加してきました。
子ども向けFCを検討する際は、「子どもが減っている」という全国統計だけで判断せず、自社が提供するサービスを必要とする家庭が地域にどの程度存在するのかを見る必要があります。
対象人口と実際のサービス利用率を分けて見る
市場人口を事業計画へ落とし込む際は、対象人口と実際にサービスを利用する人数を分けて考えます。
たとえば、商圏内に65歳以上の住民が1万人いても、その全員が特定の高齢者向けサービスを利用するわけではありません。
同様に、商圏内に未就学児が2,000人いても、その全員が学習サービス、習い事、民間学童、児童発達支援など同じサービスを利用するわけではありません。
実際の利用人数は、サービスを必要とする人の割合、認知度、競合、料金、立地、利用条件などによって変わります。
FC本部が商圏人口からモデル利用者数を算出している場合は、対象人口のうち何%が実際に利用すると想定しているのか、その根拠まで確認する必要があります。
全国人口ではなく出店地域の年齢構成まで確認する
フランチャイズの店舗や事業所は、全国平均ではなく特定の地域で運営します。
そのため、日本全体の高齢者人口や子どもの人口を確認した後は、実際の出店候補地まで範囲を狭めて人口を見る必要があります。
高齢者向けサービスであれば、商圏内の65歳以上人口だけでなく、対象とする年代や世帯構成も確認します。子ども向けサービスであれば、0~5歳人口や小学生年代の人口など、実際の対象年齢に合った統計を確認する方が判断材料になります。
さらに、現在の人口だけではなく、新しい住宅地が増えているのか、高齢化が進んでいるのか、子育て世帯が転入しているのかなど、地域の変化も確認します。
本部の出店候補地を比較するときは、「全国的に伸びている市場だから」という説明だけでなく、その地域に対象者がどの程度存在し、どの範囲から利用者を集める事業モデルなのかまで確認することが重要です。
まとめ|高齢者向け・子ども向けFCは人口動態と集客の仕組みを比較しよう
シニア・高齢者向けビジネスのフランチャイズと子ども向けフランチャイズでは、対象となる人口規模と今後の人口動態が異なります。
日本では65歳以上人口が3,600万人を超える一方、15歳未満人口は減少を続けています。しかし、この人口差だけで高齢者向けFCの方が市場性に優れ、子ども向けFCの市場が小さいと判断することはできません。
高齢者向けサービスでは、高齢者本人だけでなく、家族や地域の支援者がサービス選択に関わる業種があります。子ども向けサービスでは、利用者は子どもでも、保護者が検索や口コミなどから情報を集め、契約や利用開始を決めることが中心になります。
顧客獲得の方法も、Web検索、広告、口コミ、地域での認知、関係機関との接点など、業種によって異なります。
フランチャイズ加盟前には、全国の人口増減だけを見るのではなく、出店地域に対象者が何人いるのか、そのうちどのような人がサービスを利用するのか、誰が契約や利用開始を決め、どの経路から問い合わせにつながるのかまで確認することが重要です。
ゆめラボでは、児童発達支援事業所のフランチャイズ本部として、出店候補地域の子どもの人口や支援ニーズ、競合状況などを踏まえた開業計画を支援しています。高齢者向け事業など、他分野との比較から児童発達支援への参入を検討されている法人にも、子どもの人口だけでは判断できない市場の見方や利用者獲得の考え方をご説明しています。
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