フランチャイズブログ
新規事業を立ち上げる方法として、フランチャイズ加盟を検討する企業は少なくありません。本部の事業モデルやブランド、運営ノウハウを活用しながら新規事業へ参入できるのがフランチャイズの特徴です。
一方、フランチャイズに加盟すれば新規事業が必ず成功するわけではありません。
実際には、本部そのものに問題があるケースだけでなく、加盟する会社側が事業目的を決めないまま契約を進めたり、モデル収支をそのまま自社へ当てはめたり、本部と加盟企業の役割を十分に確認していなかったりすることで、事業計画と実際の運営にずれが生じます。
特に法人が新規事業としてフランチャイズへ加盟する場合は、契約条件だけを見るのではなく、「なぜこの事業を始めるのか」「自社は何を担うのか」「開業後は誰が責任を持つのか」まで決めた上で判断する必要があります。
このページでは、フランチャイズ本部として児童発達支援事業所の開業・運営を支援しているゆめラボが、新規事業でフランチャイズ加盟を検討する法人に向けて、失敗につながりやすい6つの判断ミスを解説します。
Contents
フランチャイズ加盟で失敗する会社は「加盟すること」が目的になっている
フランチャイズ加盟を検討するときに最初に確認したいのは、「どの本部へ加盟するか」よりも、「なぜ新規事業を始めるのか」です。
事業の目的が決まっていないまま情報収集を進めるうちに、加盟金の安さ、売上モデル、知名度など、その場で目につきやすい条件だけで判断しやすくなります。
フランチャイズ加盟は新規事業を始めるための方法であり、加盟そのものが目的ではありません。
新規事業で何を実現したいのかが決まっていない
法人が新規事業を始める理由は会社によって異なります。
本業以外の収益源を作りたい企業もあれば、地域密着型の事業を増やしたい企業、既存の人材や拠点を活かしたい企業、社会課題に関わる事業へ進出したい企業もあります。
この目的が曖昧なままフランチャイズを選ぶと、「利益率は良さそうだが自社の経営方針とは合わない」「想定以上に現場への関与が必要だった」といった問題が開業後に起こりやすくなります。
まず決めるべきなのは業種や本部ではなく、新規事業によって自社が何を実現したいのかです。
その目的に対してフランチャイズという仕組みが適しているかを考え、その後に加盟先を選ぶという順番で検討する必要があります。
本業とは別の事業を始める理由を社内で共有できていない
経営者や新規事業担当者だけが加盟理由を理解していても、開業後に関わる社内メンバーに目的が伝わっていなければ、新規事業は動きにくくなります。
たとえば、本社の人事部門には採用、経理部門には支払いや資金管理、総務部門には契約や備品管理など、新規事業の開始によって既存部署の仕事が増える場合があります。
そのときに「なぜ会社がこの事業を始めるのか」が共有されていないと、新規事業が一部の担当者だけが抱える仕事になりやすくなります。
特に本業とは異なる業種のフランチャイズへ加盟する場合は、既存事業との関係、新規事業を将来どこまで育てるのか、会社としてどの程度の人員や資金を投入するのかまで社内で共有しておく必要があります。
フランチャイズ本部の収益モデルをそのまま自社の事業計画に使ってしまう
フランチャイズの説明会や資料では、モデル店舗の売上や収益シミュレーションが示されることがあります。加盟判断の参考になりますが、その数字が自社の出店でもそのまま再現されるとは限りません。
フランチャイズ加盟で失敗を避けるには、本部が提示するモデルを見るだけでなく、自社の出店条件に置き換えて事業計画を作る必要があります。
モデル収支と自社が出店する地域の条件は同じではない
同じフランチャイズでも、出店する地域によって家賃、人件費、採用環境、競合状況、利用者や顧客の数は変わります。モデル収支が都市部の店舗を基にしているのであれば、地方で同じ売上になるとは限りません。反対に、家賃や人件費がモデルより低くなる地域もあります。
重要なのはモデル収支を疑うことではなく、「この数字はどのような条件で作られているのか」を確認することです。店舗面積、営業時間、必要人員、想定顧客数、稼働率などを確認し、自社の出店予定地域の条件に置き換えて計算する必要があります。
売上だけでなく人件費・家賃・ロイヤリティまで自社条件で確認する
新規事業を検討するときは、売上予測に目が向きやすくなります。
しかし実際の利益は、売上から人件費、家賃、水道光熱費、広告費、システム利用料、ロイヤリティなどを差し引いて算出します。
特に人を配置して運営するフランチャイズでは、必要人員にかかる人件費が事業計画へ大きく影響します。
また、ロイヤリティも単純に「高い・安い」だけでは判断できません。ロイヤリティに何が含まれているのか、本部からどのような支援や仕組みを利用できるのかまで確認する必要があります。
児童発達支援フランチャイズの資金については、自己資金いくら必要?児童発達支援事業所フランチャイズのリアルな資金計画でもご紹介しています。
フランチャイズ加盟前に出店地域と人材確保を確認していない
フランチャイズ本部の事業モデルが良くても、事業の成否は、実際に出店する地域の条件にも左右されます。
そのため、ブランドや事業内容だけを見て加盟を決めるのではなく、予定している地域に十分な需要があり、必要な運営条件を満たせるかを確認する必要があります。
本部のブランド力だけで利用者や顧客が集まるとは限らない
フランチャイズに加盟するメリットの一つに、既存ブランドの認知度を活用できることがあります。
ただし、ブランド名があるからといって、開業しただけで利用者や顧客が集まるとは限りません。地域によって競合数や人口構成、交通環境、既存サービスの充足状況は異なります。
本部がどのような商圏調査を行うのかだけでなく、自社でも出店予定地域について確認し、「なぜこの場所でこの事業を行うのか」を根拠を持って判断できるようにする必要があります。
特に地域密着型の事業では、全国的なブランド力だけでなく、その地域で必要とされるサービスかどうかが重要になります。
必要な人材を地域で採用できるかまで確認しておく
人材が必要なフランチャイズでは、物件を確保できても職員を採用できなければ事業を始められません。採用する職種、必要人数、給与水準、勤務時間を確認し、出店予定地域で必要な人材を採用できる見込みがあるかを加盟前に確認する必要があります。
特に児童発達支援のように、人員基準や資格要件が定められている事業では、人材確保は開業時期そのものに影響します。
「本部が採用を支援してくれるから大丈夫」と考えるのではなく、本部の採用支援の範囲と、加盟企業がどこまで採用・雇用を担うのかも確認しておく必要があります。
フランチャイズ本部の支援範囲と自社の役割を確認せずに加盟する
フランチャイズ加盟を、本部が事業運営を代行してくれる仕組みと捉えるのは適切ではありません。本部はブランドやノウハウ、マニュアル、研修、各種支援を提供しますが、加盟企業も独立した事業者として自社の事業を運営します。
加盟前に役割分担を確認していないと、開業後になって「ここまで自社で行うとは思っていなかった」という認識のずれが生まれます。
フランチャイズ加盟は事業運営を本部へ任せる仕組みではない
フランチャイズでは、本部によって支援内容が異なります。
物件選定、事業計画、採用、研修、広告、システム、開業後の経営支援など、どこまで本部が関わるのかは加盟するチェーンによって変わります。
一方、日々の現場運営、人材管理、資金管理、地域での対応などは加盟企業側が担うケースが一般的です。
本部の支援が充実していても、加盟企業の経営責任まで本部へ移るわけではありません。法人が新規事業として加盟する場合は、本部から受けられる支援だけでなく、自社が担う業務は何かまで確認することが重要です。
開業後に自社が担う業務と責任を加盟前に確認する
加盟説明会では開業までの支援に注目しやすいですが、開業後は人材管理や収支確認など継続的な運営業務が始まります。
採用した職員の管理、売上や経費の確認、顧客や利用者への対応、行政対応、トラブル発生時の判断など、開業後に自社が担う業務を事前に確認しておく必要があります。
また、本部へ相談できることと、本部が代わりに行うことは同じではありません。
契約前に「本部が何を提供するのか」「加盟企業が何を行うのか」を具体的に確認することで、開業後の認識のずれを減らせます。
ゆめラボが開業前から開業後までどのような支援を行っているかについては、ゆめラボ本部サポート体制のすべて|開業前から運営・人材育成まででご紹介しています。
新規事業の責任者を決めないままフランチャイズ契約を進める
法人がフランチャイズへ加盟する場合、契約を締結する経営者と、実際に新規事業を運営する責任者が異なることがあります。
この形自体に問題があるわけではありませんが、開業後の責任者を決めないまま契約だけを先に進めると、本部との打ち合わせ内容や事業方針が社内で引き継がれないことがあります。
契約担当者と開業後の事業責任者が別だと情報が途切れやすい
加盟検討の段階では、経営者や経営企画、新規事業担当者が本部との打ち合わせを行うことが多くあります。
しかし、開業が近づいてから別の社員を事業責任者にすると、それまでに確認してきた加盟条件、本部との役割分担、事業計画の前提などが十分に共有されないことがあります。
その結果、事業責任者が加盟条件や本部との役割分担を十分に理解しないまま開業準備へ入ることがあります。
可能であれば、開業後に事業を担当する責任者にも加盟検討の早い段階から本部との打ち合わせに参加してもらうことで、認識を合わせやすくなります。
本社と現場のどちらが何を判断するのか決めておく
開業後に備えて、本社と現場の判断範囲をあらかじめ分けておく必要があります。
採用条件、予算、人員増減、広告費などは本社で判断し、日々の運営や利用者対応は現場責任者が判断するといったように、事業に合わせて役割を決める必要があります。
特に専門職が働く事業では、経営判断と現場の専門的な判断を分けることも必要です。本社と現場の権限が曖昧なままだと、判断のたびに確認が必要になり、意思決定が遅れます。
フランチャイズ本部との役割分担だけでなく、加盟企業の社内でも誰が何を判断するのかを加盟前から決めておくことが重要です。
フランチャイズ契約の条件を十分に確認せず加盟を決める
フランチャイズ加盟では、事業内容に納得しただけで契約を決めるべきではありません。フランチャイズ契約は、加盟後の事業運営だけでなく、契約を更新するとき、事業を終了するときにも影響します。
契約書や本部から提示される開示資料を読み、不明点があれば契約前に質問しておく必要があります。
加盟金とロイヤリティだけでなく契約期間や更新条件も確認する
フランチャイズの費用を比較するときは、加盟金やロイヤリティが注目されやすくなります。
しかし、加盟後の経営に影響する契約条件はそれだけではありません。
契約期間は何年なのか、更新時に費用が発生するのか、更新するための条件はあるのか、本部から購入・利用しなければならない商品やシステムはあるのかなども確認する必要があります。
ロイヤリティについても、売上に対する割合なのか、毎月の固定額なのか、別途発生するシステム料や広告分担金があるのかによって実際の負担は変わります。
契約条件は一つの項目だけを見るのではなく、加盟後に会社が負担する費用と義務を全体で確認する必要があります。
中途解約や競業避止など加盟後に影響する条件まで確認する
加盟時には長く事業を続ける前提で考えるため、契約終了時の条件は後回しになりやすい部分です。
しかし、経営環境の変化や会社の方針変更によって、契約期間の途中で撤退が必要になる可能性もあります。そのため、中途解約できる条件、違約金の有無、解約までに必要な期間などは契約前に確認しておく必要があります。
また、契約書に競業避止に関する条項がある場合は、契約期間中だけなのか契約終了後も対象になるのか、対象となる事業や地域、期間はどこまでなのかも確認します。
フランチャイズ契約は、契約締結時だけでなく、更新するとき、終了するときまで想定して確認することが重要です。
条件の意味や自社への影響を判断しにくい場合は、契約を急がず、弁護士・税理士などの専門家に相談することも有効です。
まとめ|フランチャイズ加盟で失敗しないためには契約前の判断が重要
フランチャイズ加盟で失敗を避けるためには、「有名な本部だから」「モデル収支が良かったから」「サポートが充実していそうだから」という一つの理由だけで加盟を決めないことが重要です。
新規事業で何を実現するのかを決め、自社の出店条件で事業計画を作り、人材を確保できるかを確認した上で、本部と自社の役割、社内責任者、契約条件まで確認する必要があります。
フランチャイズは、本部の仕組みを活用しながら新しい事業へ参入できる方法です。一方、加盟後も経営責任は加盟企業にあります。
ゆめラボでは、児童発達支援事業所のフランチャイズ本部として、加盟を検討する法人に対して事業モデルだけを説明するのではなく、出店予定地域や現在の事業内容、社内体制なども確認しながら開業後の運営を見据えたご案内を行っています。
新規事業として福祉フランチャイズや児童発達支援への参入を検討している法人の方は、ゆめラボの児童発達支援フランチャイズへご相談ください。
自社の事業方針とフランチャイズの仕組みが合っているか、加盟を決める前の段階からご相談いただけます。
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